「海のはじまり」第3話 大切な人を失うということ、いなくならない大切な人がいること

戯言

ドラマ「海のはじまり」第3話。

第2話で恋人の弥生8有村架純)に自分の娘がいることを話した夏(目黒蓮)。

自分が海(泉谷星奈)の父親であるべきなのか悩む夏と自分の過去に思いを馳せ海の母親になりたいと淡く思う弥生。

第3話はそんな二人の気持ちの揺れ動きが描かれた話です。 以下ネタバレを含みます

冒頭は水季と海のシーン。

水季は海の身長を壁に記して、

「すくすく育ってます」「ママを超すのはいつかな」海と話します。

そして「もう、図書館行かなきゃ」と言い「居なくならないよ」と海を抱きしめます。

水季が登場するだけでグッとやるせない気持ちになります。

本当に海に愛情を注いでいたんだなと

場面は変わって朱音(大竹しのぶ)の家。

海は夏の胸に飛び込むやいなや学校で起こったことを話す。戸惑う夏。話し疲れて寝てしまう海。

海が起きた時、いてあげたら喜ぶからと夕飯を食べていくよう誘う朱音。

食事の準備をしながら、夏は自分がなぜ海に好かれているのか本当に分からない、何もしてあげられていないのに、と朱音に話す。朱音は家族が仲がいいことに理由はないと話す。

夏がどうして水季が海を産むことにしたのか聞くと朱音は

「さあ、やっぱり産むからって、それだけ。父親に知らせないのは選べないからって。その人、私が産むって決めたらじゃあ父親になるって絶対に言うから。他の選択肢を奪いたくないって。だから、頼りなかったとか他に誰かいたとかそういうんじゃないんです」

とにかく自分で決めることを大事にし、自分で自分の選択肢を狭めるなと言っていたていた水季。水季なりのマイペースで独りよがりな優しさが切ないです

夏の家。弥生は夏に両親が再婚した時、すぐに受け入れられたか聞く。

「時間たったら自然に。俺は何もしてなく、あの二人だったから」というと弥生は「むこうもそう思ってると思うよ」と言う。

海の誕生日。夏と弥生は二人で海と出かけることになる。

出かける前に、朱音から母子手帳を預かり不安になる夏。

「練習してください。親って子供の何を持ってて何を知らないといけないのか」そう言って送り出す朱音。

水季が働いていた図書館へ行く三人。

海は楽しみながらも所々で水季の面影を感じている。

母子手帳を眺めている夏のもとに寄ってくる海。

「いつも、ここで待ってたの?」「だから今日ここ来たかったの?」

「大丈夫?水季がいないここ来たの初めてでしょ。いないって、本当にもう水季はいないって・・・」

言葉が詰まる夏に海は母子手帳を読んで欲しいと頼む。海の成長の記録がびっしりと書かれた母子手帳を読む夏。

遠くから見守る弥生と津野(池松壮亮)。二人で外野感を感じる。

寝た海をおぶり朱音の家に戻る三人。

「楽しかったです」と言う弥生に対して思いの丈を話す朱音。

「子供、産んだことないでしょ。大変なの、産むのも育てるのも。大変だろうなあって、覚悟して挑むんだけどその何倍も。産みたくて産んだんだから当然のことなんだけど。水季もそう、産みたくて産んだしもっと育てたかったの。悔しいの、水季がいたはずなのに。血のつながりが絶対なんて思わないけど、でもこっちはつながろうと必至になってやっとつながれたの。だから悔しい」

明くる日、夏の家に海が遊びにくる。

「夏君、元気?」

「うん、元気だけど」

「海も元気」

「そう。学校楽しい?おばあちゃん家は?」

「楽しい」

「本当に?」

「うん」

「なんで元気なふりするの?水季死んで、悲しいでしょ。なにしてても思い出してキツイと思うし。なんで・・・。泣いたりすればいいのに。水季だって元気でいて欲しいって思ってると思うけど、でも元気ぶっても意味ないし、水季の代わりはいないだろうし、水季が死んだってことから気をそらしたってしょうがないし、悲しいものは悲しいって吐き出さないと」

涙を浮かべて夏の胸に飛び込み号泣する海。涙を浮かべながら優しく抱きかかえる夏。

仲睦まじく水季の思い出を話す二人。

外野から二人を見つめる弥生。

本当に大切な人なくした悲しみ。それを吐き出せるのは、本当にいてほしい人だけなのかもしれせん。

夏は海に自分の家族のことを話す。四人家族だけど父と弟は自分と血がつながってないこと、他人だけど今は本当の父、本当の弟だと思っていること。

海は「二人いるんでしょ。本当のお父さん」と返す。

夏は水季と海がよく行っていた海に海を連れ出す。

「パパ、いつ始まるのって聞いてくれたけど、始めて欲しいってこと?パパになって欲しいってこと?」

「ううん。夏君、パパやらなくていいよ」

「えっ?」

「でも、いなくならないで。ママとパパ、一人ずつしかいないから、だからいなくならないで」

「パパだからいなくならないでほしいけど、パパやらなくていいってこと?」

「うん」

「ごめん、パパやるって、なに?」

「分かんない」

「俺も分かんないだよね。認知するとか育てるとかって、そういうの簡単に決めるのも、無責任な気がするし」

「無責任って?」

「分かんない、よく分かってないってこと」

「いなくならないで、は分かる?」

「それは分かる。分かるしそうしたい。水季の代わりにはなれないけど、一緒には、いれる」

「じゃあ、いて」

「分かった」

屈託ない笑顔の海を笑顔で写真に収める夏。    今回はここまでです。

 

第3話を迎えてだんだん話に深みが増してきましたね。

大切な人、いてほしい人を失ったときに、心の底から支えられるのは、なくした人が自分のなかで思い出せること、そして、いてほしい人がいなくならないこと、なのかもしれません。

ただ、一緒にいれる幸せ。

あと、弥生。本当に心が締め付けられるくらい優しい気持ちを持っているのは伝わるんですけど、ちょっと危うくて夏と海の間の関係からはおいていかれてちょっと隙間がありそうです。過去の十字架も含めてこれからどんなふうに進んでいくのでしょうか。

あと、これは余談かもしれませんがやっぱりエンディングテーマが素晴らしいですね。back numberの「新しい恋人達に」

ドラマのエンディングの重要性を改めて感じます。

ちょっと前クールのドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」のことを思い出しました。

私が大好きで本当に素晴らしかったドラマ「アンメット」

ストーリーももちろん最高なんですけど、特に主演の杉咲花と若葉竜也の演技が素人目にみても半端じゃなくて、表情だけで震えましたし引き込まれました。何度号泣したことか。

なんですが、エンディングだけがちょっと残念。

最後としての世界観とか締めとしての感じとか次への期待感とか。音楽が違ったらもっと評価される作品になったかもしれせん。(もちろん、いいドラマなんで、みて損はありません)

そんなことをふと、思いました。

 

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