「海のはじまり」第4話 好きなのに一緒にいちゃ駄目なの?

戯言

ドラマ「海のはじまり」第3話。

だんだん登場人物の心情が深まってきました。

今週の主役は弥生。一人もがき苦しみ、ゆえに生き急いでいた彼女の苦悩。

そんな弥生を夏はどのように抱えこんでいくのか。

海、夏、弥生。お互いがお互いのことを好きなのに会えない時間を乗り越えられるのでしょうか。

一緒にいられる、一緒に悩めることの尊さが詰まった話です。    以下ネタバレを含みます

冒頭はお決まりになりつつある海辺のシーン。

夏(目黒蓮)が海(泉谷星奈)を写真に収めようと二人がはしゃいでいる。

水季(古川琴音)が加わって楽しそうに砂でお城を作る。水季の姿が消える。すごく切ないです。

夏と弥生(有村架純)。

夏はこれからなるべく海と一緒に居たいと思っていることを伝える。まだ、はっきりしたことは決められない様子。先延ばしにしたいと。

認知はするのか、居住地は、親権はと矢継ぎ早に聞く弥生に夏は

「待って。決めさせようとしないで。弥生さん何も強要はしないしそれは助かるんだけど、決めてないってことすごく責めるよね」「めんどくさくて先延ばしにしてる訳じゃない」と言う。

弥生は夏に謝りつつ、早く夏に海の父親になってほしいし自分も母親になりたいと言う。

 

水季と朱音(大竹しのぶ)

水季が子供を堕ろすと決めたことに、朱音は水季を産むのにどれだけ苦労したかを話す。

つい反発してしまう水季。

「お母さん、母親ってポジションが欲しかっただけでしょ。ずっとうざかったんだよね。母親ってそうじゃない女よりも偉いのかよ。治療して妊娠したらそうじゃない奴よりも偉いのかよ。なんなんだよ、自分の苦労ばっかり。知らないよ生まれる前のことなんか、頼んでないもん。残念だったね、一生懸命頑張って妊娠してできた子がこんなで。お母さん可哀想」

部屋を飛び出した水季と話す父、翔平(利重剛)。

「こんなの生まれてきたら怖い。こんな親不孝なの出てきたら怖い」

「親不孝かどうか決めるのは親だよ。子供が勝手に決めないでくれる」

「自覚あるくらい親不孝なの」

「そう、勝手に言ってなさい。・・・本当は産みたいの?」

「相手に似るなら、産みたい」

「相手に似て欲しいって思えるだなんて、それはもう、ね」

「迷惑かけたくない」

「迷惑ね、」

「責任負わせたくない」

「責任ね、」

翔平は水季の母子手帳を渡す。「お母さん、いっぱい書く人だから」と。

明くる日。

母子手帳を貰ってきた水季。

「お母さんになれる?こんなお母さん大事にしない奴でも」

「いるんでしょ。じゃあもうお母さんだよ。そう簡単に始めたり、やめれたりするもんじゃないよ」

「はい」

朱音が帰ってくる。

「やっぱり産むことにした」

「は?」

「大丈夫。一人で産んで一人で育てるから」

「あんたね、分かってないのよ、どれだけ大変なのか」

「分かるわけないじゃん、やったことないもん」

「やったことあるとかないとか、そういう問題じゃないでしょ」

「でもやってみないと分かんないでしょ」 

夏に別れを告げる回想シーン。涙をこらえ寝そべる水季。

そこに手作りの手提げをかける朱音。

「作り方教えてあげる。こういうの喜ぶから、子供って」

「人に可哀想とかいうのやめなさい。知らないかもしれないけど、お母さん幸せなの。水季産めて、生意気に育って、わがまま言われて、幸せなの」

夏を喫茶店に呼び出す弥生。「殺したことある」と切り出す。

「罪悪感みたいなのがずっとあって。いい親になって子供に必要とされれば楽になれるって、無理やり思い込んでた。自分のために親になろうとしてただけ。

「ずるかった。これを言う前に海ちゃんに関わるの良くなかった。絶対駄目だった」

「許しがほしいわけじゃない。ただ、自分が無理で。自分で自分がどうしたって許せない。海ちゃんにも水季さんにも失礼すぎる」

海と会うたび弥生を誘う夏。弥生に会いたい海。気持ちの整理がつかない弥生。

海は弥生に電話をかける。

「夏君、弥生ちゃんに会いたがってたよ。寂しそうだった。ケンカしたの?」

「ううん。違うよ。私が悪口言ったの。それで傷ついてるんじゃないかな。会えなくてさみしいとかじゃないと思うよ。」

「夏君、好き?」

「うん。好きだよ」

「海も」

「そっか。一緒だね」

「じゃあまた、3人で遊ぼう」

「うーん、どうかな」

「ママじゃないから駄目なの?弥生ちゃん、海のママじゃないから一緒にいれないの?海のせい?」

「違うよ。海ちゃんはなんにも悪くない」

「弥生ちゃん悪くないって夏君言ってたよ。誰も悪くないのに、みんな好きなのに、夏君と一緒にいたら駄目なの?」

「そうだよね。そういうことじゃないのに。自分が許せないなんてね。そのまま、自分だけその気持ち持ってればいいだけだよね」

夏と海がブランコで游ぶところに姿をみせる弥生。

夏と弥生は二人で海が友達と游ぶのを見守る。

「お友達るの早いね。人見知りとかないの?」

「ああ、多分、、、」

「水季さんね。それであれでしょ。引っ張ってくれるタイプ。人に相談とかしない、自分の意志貫く感じ。私はね、意外と相談したいタイプ。大事な人にまず話して共有したいって思うタイプ。ほんとはもっと人に寄りかかりたい。一緒に悩んだり考えたりしたかったんだけど、その時の大切な人がみんな自分の考えをポイって置いていく人たちで、さみしかった。無視してたこの数日、しつこく電話したり家に押しかけたり、ほんとしないよね。そこがいいんだけどね。待ってくれるところが。悪く言えば自分がない、悪く言えば他人に委ねすぎ。決めきれない感じ、迷っちゃう感じ、たまにイラッとするんだけど、でも、一緒に迷えるのは助かる。さみしくない」

妊娠したことを彼に伝えた時、「いつ堕ろすの?」と言われ、母親に相談したら彼が望んでないなら堕ろしなさいと言われた弥生。自分に宿った命をなくすことへのどうしようもない気持ちのやり場がない弥生。

そんな弥生に何も言えない夏。一緒にいたいと言う海。

待ってくれる、一緒に迷えるのは助かると言う弥生。

一人で産み育てると決めた水季に手提げを差し出す朱音。

自分で決められなくても同じように悩み、待ってくれる人、自分が心から思っていることを100%の純度で言ってくれる人、自分を貫こうと決めた時それを支えてくれる人。そんな人がいるだけで人のこと心はほんの少し救われるし楽になる、前を向ける。

一緒にいたいと思える人がいてくれるだけで幸せ。今回もあったかい話でした。

あと、有村架純。最後の会話のシーンが最高でした。

引き込まれるというか身に沁みるというか。今クールの中でも上位の場面でしたね。

次回からは、夏が親としての一歩を踏み出しそうです。

どんな風に進んで行くのか少し心配です。

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